2007年09月30日

わかる!宇宙と生命の不思議

『わかる!宇宙と生命の不思議』を読んだよ。第二の地球は確実に存在するね。

ある天文学者が自分の甥に対して、宇宙について語るというシチュエーション。だから、丁寧に分かりやすく書かれているよ。図とかは少ないけど、文章で説明するのは難しい話なのにね。

冒頭は「地球の生命はどこから来たのか」。天文学者の話だけあって、宇宙から来たということが前提に話が進むよ。そう、それが現実的なのかも。ただ、じゃ、その宇宙から来た生命はどこでどのように生まれたのかという疑問は残るけど。

そして、地球。温暖化の話が中心。これは第二の地球を探そうという本書のテーマのきっかけになる。ホーキングによると、地球はあと1000年で温暖化によって住めなくなってしまうとか。ところがさらに恐ろしいことに、宇宙スケールでは、1000年も100年も大差がない。あと100年…。生きていないから、まぁいいか。

地球を離れて、月、太陽、太陽系惑星、銀河系と話は続き、後半部で第二の地球を探す。恒星までの距離の測り方とか、観察の手法とか、中学生には難しそうな話題もあるけど、きちんと説明しているよ。

さて、第二の地球はあるのだろうか。この本を読むと、どこかに必ずあると思えてくるよ。温暖化で生命が危ぶまれるようになったら、第二の地球に移住するしかないのかと思うけど、6500万年前に絶滅した恐竜のことを思うと、地球と心中してもいいんじゃないかなぁ〜って気もするよ。

最後に。本書は『この宇宙に地球と似た星はあるのだろうか』の改定本。実はこれを読んだことがあったから、アッシ的には再読。でも、きちんと冥王星は惑星から外されていたよ。
わかる!宇宙と生命の不思議
わかる!宇宙と生命の不思議有本 信雄

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この宇宙に地球と似た星はあるのだろうか
この宇宙に地球と似た星はあるのだろうか有本 信雄

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starこの本を読んで
star子どもの疑問に答えるためにも

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2007年09月25日

ある漂流者のはなし

『ある漂流者のはなし』を読んだよ。人間の生きる力とは…。

2001年の夏、長崎県から銚子沖まで、小さな漁船で37日間漂流した武智さんのドキュメント。

それにしても、壮絶な漂流記。漂流記と言えば、大黒屋光太夫の話を思い出すけど、こちらは現代。しかも単独。
って言うか、壮絶でない漂流記なんて考えられないけど。

やっぱり、漂流の苦しさは水だよね。漂流の後半は水の話ばかり。海水を沸かして、蒸気を舐めたりの創意工夫をする。でも、最後はその気力もなくなるんだけど。
海が時化たのに、雨が一滴も降らなかったというのも不思議な感じ。素人的には、海が時化るのは台風とか嵐っていうイメージがあるから。

武智さんの人生も平行して語られる。漂流中は色々なことを考える。自分の人生を振り返る。普通の生活をしていれば、そんなことは考えないんだろうけど。

そして、今の武智さん。漂流のことは何も思い出さないと言う。これもまた不思議な感じ。自分のこととして捕らえられないくらい、壮絶な37日間だったということなのかなぁ〜。
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posted by りすじぃ at 06:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 90文学

2007年09月23日

生きて死ぬ私

『生きて死ぬ私』を読んだよ。茂木先生、若き日の原点。

いつものように、これは哲学か?科学か?というような得体の知れない話。でも、そこが新鮮で面白い。

自分の存在と死について、考えさせられる一文。
私たちは、死後、自分が存在しなくなってしまうことを、割り切れないように思う。世界でどんなことが起ころうとも、もはやそれを見、感じる自分がいないことを不条理だと考える。しかし、その一方で、自分が固体としてこの世界に生まれてくるまでの時間の流れの間、自分が宇宙に存在しなかったことに関しては、何の疑問も、不安も抱かない。
ホントだ。自分の存在って、宇宙の歴史と比較すれば、時間的には微々たるもので、生まれる以前っていうのは死んでいたのと同然なんだよね。だから、死ぬっていうことは、単にその時の状態に戻るのかも。これはすごく不思議な感覚。この感覚で死を考えると、死に対する恐怖が薄らぐよね。っていうか、アッシの場合はまったく無くなる。

そして、「悟り」について。筆者は、臨時体験した人が「すべては満たされた状態にある」という至福感を語ることに対して、違和感を持つ。
全知感、あるいは「悟り」というものに、違和感を覚えていたのである。その違和感とは、「悟り」における全知感は、実は、何も具体的なことを知らない状態、すなわち無知の状態に他ならないのではないだろうかということである。
この状態は、
もはや自分にとって未知なものに立ち向かう緊張感が欠けてしまうのではないか。
ということだと茂木先生。そう、どんなに賢い人でも、新しいものに向かう緊張感ていうものがあると思う。それがない状態って、人間として死んでいるのと同じなのかもね。

後半は「意識の変性状態」がテーマなんだけど、対外離脱体験についての話が不思議な感じ。茂木先生は真剣に対外離脱体験を科学しようとしているよ。どうして、ここまで分析する必要があるのかがアッシにはよく分からない。

最後のほうは、エッセイっぽい。内容は若き日の日常だから、まさに原点なのかもね。
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starその後の著作の方が整理されていて、より深いところまで描写されている。
star青壮年時代の著者の苦悩がこちらの心にまで突き刺さる
star茂木健一郎の「青の時代」。

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posted by りすじぃ at 07:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 40自然科学

2007年09月16日

はじめの哲学

『はじめの哲学』を読んだよ。存在の冒険は遭難気味…。

存在の国(今の世の中のこと)の「いちばん最初の根っこ」を探し出すことを、冒険になぞらえて語った本。

存在の国の定義(広さ)から始まって、目指す目標(「いちばん最初の根っこ」を探すこと)の設定をする。そして、「いちばん最初の根っこ」を探す旅に出る。
まずは、一番近道になりそうな科学を手段として目標に挑む。ところが科学も迷信のうちにひとつに過ぎないと…。
ようするに科学における「根っこ」とは、経験の拡大によりいくらでも変化していく、つねに「とりあえずの根っこ」なのです。現代の人間が正しいと思っている科学法則も、後世の人から見ればとんでもない陳腐なものかもしれません。ですから、これを「いちばん最初の根っこ」とするわけにはいかないのです。
これはまさに『 99・9%は仮説』に書かれていたことと一致する。要は科学は仮説(ここでいう「とりあえずの根っこ」)の上に成り立っているんだよね。

そして、意識の問題。デカルトの「われ思う、ゆえにわれあり」についても、「いちばん最初の根っこ」にはなり得ないことを、三段論法を使って説明。これは面白い。

存在の国の冒険の旅は続くが、一度結論に近い定義が出る。「生きているから、すべてはある。」がその結論。ところが、冒険の旅はさらに続く。「死後にも世界がある」という仮定。こうなるともう科学とか哲学の問題ではなく、
この存在の国の「いちばん最初の根っこ」とは、私たち人間にとって、「死後の世界の有無」という証明不可能な命題の向こう側に、永遠に封じ込められているわけですから、「いちばん最初の根っこ」を手に入れようとする宗教は、この理性の限界を踏み越えて、「死後の世界の有無」のいずれかに賭けるしかありません。
と、宗教の問題になってしまうという。

とりあえず、哲学の初歩として、分かりやすいと思う。哲学者の考えていることがまとめられていると思うよ。
このところ読む本に関連があったのも、アッシ的には嬉しいし。
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はじめの哲学 (ちくまプリマー新書)三好 由紀彦

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star読みやすく、わかりやすい、存在論
star興奮を覚える本でした

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2007年09月09日

99・9%は仮説―思いこみで判断しないための考え方

『99・9%は仮説―思いこみで判断しないための考え方』を読んだよ。竹内薫の著作は、分かり易くて面白いよ。

世界は仮説でできている…なんていきなり言われても、「なにそれ?」って思うかもしれないけど、まさに世の中は仮説だらけ、科学は万能じゃないって言われても、「それってどういう意味?」になると思う。それを多くの事例を交えて、見事に解説してくれているよ。

ヘンな常識ってあるよね。これって単なる仮説。例えば、「地動説」がまさにそれ。ガリレオ・ガリレイが地動説を説明しても、地球が動いているはずがないっていう仮説が前提になっているから、誰もが理解しなかったわけ。こんな事例が世の中にはいっぱい。
もう一つの事例。冥王星は惑星から降格されたけど、結局これも仮説がひっくり返っただけの話だよね。

結局、
世の中に未来永劫正しいことなんて存在しない。なぜなら、人間の考えることは、すべて「仮説にすぎない」からです。
と筆者。

そして、科学とは何かの話題。科学は仮説に集まりでしなかいんだよね。そう、地動説に戻って考えてみれば、太陽が動くという仮説が、ガリレイによって地球が動くという仮説に変わっただけの話。
そうやって考えてみると、われわれが知っている科学も、実は、科学史でしかないことに気づきます。
いま現在起きていることは、じきに歴史になります。それと同じで、いま現在進行中の科学も、すぐに科学史になります。
つまり、科学とは、いちばん新しい仮説の集まりにすぎないのです。
科学はあくまで文化であり、それゆえに永遠の真理にはなりえないのです。
「話が通じない人」の話も面白いよ。話が通じない人との話ってイヤになるけど、要はその人と自分の前提としている仮説が違うからなんだという。
だからと言って、同じ仮説の上に立つのも、非常にエネルギーのいることなんだけどなぁ〜。
99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方
99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方竹内 薫

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2007年09月08日

春宵十話

『春宵十話』を読んだよ。数学者はエッセイがお好き?

数学者・岡潔のエッセイ集。1963年に刊行された単行本の文庫版で復刊したもの。

筆者の「教育は情緒である」という考えが本書で貫かれているように読めるよ。情緒は人間にしかない。しかしながら、戦後の教育は人間性を育てずに、動物性の面ばかりを育てているという。「きょうの情緒があすの頭を作る」とも。
そして、いまの教育に対する不安を、
二十歳前後の若い人に、衝動を抑止する働きが欠けていることである。抑止の働きは大脳前頭葉の働きで、大脳前頭葉を取り去ってもなお生命は保てるが、衝動的な生活しか営めない。試験のときでも、意味も十分にわかっていないのにすぐ鉛筆をとって書き始めるなどは衝動的な動作だ。
と述べているよ。
冒頭に書いたけど、これが1963年。今から40年以上前なのに、今でも通用する言葉。まったく古くなっていないのがすごく不思議な感じだよね。その頃からそういう傾向が始まっていて、岡先生はそれに早くから気が付いていたっていうことなんだろうね。

そして、小学校教育についての私見。
だいたい小学校は道元禅師の「たとえば器に水を移す如くすべし」の時期である。文化に対する親和力を養うべき時なのであって、いわばすべてをとり入れるのである。次に批判でなく玩味をさせるのである。玩味とは長所に目を注ぐことである。欧米に対するいわれのない劣等感は、この時期にちゃんとやっていないのに由来するように思える。つまり学ぶべき時期に学んでおかなかったから、季節はずれにまねてばかりいることになるのである。
これは、まさに藤原正彦氏の教育論の原点のような。どうも数学者というものは、論理よりそれ以前の大元を重要視するんじゃないかなぁ〜って思えてくる。

最後にもうひとつ引用。
よく人から数学をやって何になるのかと聞かれるが、私は春の野に咲くスミレはただスミレらしく咲いているだけでいいと思っている。咲くことがどんなによいことであろうとなかろうと、それはスミレのあずかり知らないことだ。咲いているのといないのとではおのずから違うということだけのことである。
岡先生も、春のスミレちゃんがお好きなようで…。
春宵十話 随筆集/数学者が綴る人生1 (光文社文庫)
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star情緒の数学者
starたまには心の森林浴みたいに、こうした本を読むのもいいかな
star透徹した心眼で書かれた随筆

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posted by りすじぃ at 11:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 90文学

2007年09月04日

闘う物理学者!―天才たちの華麗なる喧嘩

『闘う物理学者!―天才たちの華麗なる喧嘩』を読んだよ。筆者の竹内薫氏に興味。

世界で名立たる物理学者同士の論争や、物理学者が戦った諸々の事象などをエピソードを中心にまとめた本。もちろん、物理学そのものも話題として解説されているから、物理学者を知りながら、その物理学者が考えた物理学も勉強できるよ。

さて、物理学者は誰と何と闘ったのか?
例えば、ガリレオvsローマ法王。これは有名な話だからよく分かる。ただ、ガリレオの裁判については、詳細を知らなかったけれども、本書でよ〜く分かったよ。

そして、アインシュタインとボーア。「永久にわかりあえない2人」という章題。実在論のアインシュタインと実証論のボーア。この二つの概念の言葉は以前の本でも見掛けたけれども、よく理解していなかった。本書ではなるほどなぁ〜と思える解説で、多少は理解できたかも。論争の内容が量子論だから、余計に理解しにくいかも。

日本人同士の喧嘩もあるよ。湯川秀樹と朝永振一郎。ただ、この二人の場合は喧嘩まではいっていない。湯川秀樹は朝永振一郎をライバル視していなかったから。

現代の物理学者として、ホーキングの話題も。そのホーキングの言葉。

「宇宙の初期において、時間を虚数にすると特異点が消える」
「時間もある見方をすれば虚数だし、別の見方をすれば実数だ。宇宙の初期において、時間が虚数だろうが実数だろうがどちらでもいいじゃないか」

ホーキングは実証論者だと。う〜む、数学的な結論らしいけど、頭の中ではまったく理解不能。でも、その結果が面白いなぁ〜。
闘う物理学者! 天才たちの華麗なる喧嘩
闘う物理学者! 天才たちの華麗なる喧嘩竹内 薫

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