2008年02月29日

見える日本、見えない日本

『見える日本、見えない日本』を読んだよ。養老先生が阿部謹也先生と対談していた〜。

地元公共図書館のサイトで「阿部謹也」で検索したら、本書がヒットしたよ。ラッキ〜って感じ。
副題に「養老孟司 対談集」とあるように、養老先生と各界著名人との対談集。アッシの気になる対談者は、藤原センセーと阿部謹也先生。

まずは、藤原センセー。数学は美的感受性とアナロジー(類推)だとか。岡潔先生の話も出てくる。藤原センセー曰く、
岡潔先生は、日本人が数学に強いのは俳句のせいだと言われます。五七五から、世界を宇宙を想像する。そういう習慣が小さいときからついていて、想像力が発達しているのだと。
と。想像力もそうだけど、凝縮の美しさも俳句にはあるんだろうなぁ〜。そして、その想像力がアナロジーに繋がっていく。
ヨーロー先生曰く、
アナロージーが、子供のときから鍛えられているのですね。
と。

そして、阿部先生。まずは世間論。「○○が好きですか?」という問いに対し、「個人的には」と前置きが付くことが多いよね。それに対し、
その場で自分の好みを言ってよいかを考え、枠の中でしか発言できないんです。
と。赤面恐怖症も、世間に対して緊張するからだとか。つまりは、世間に期待されている役割を演じなくてはならないからと。
そして、教養論。
農民や漁民は自分が社会とどうつながっているかを知っていますが、サラリーマンにはその実感がない。だから、○○大学卒とか一部上場といったことで不安を紛らわすわけです。
だから、本当の教養は農民や漁民の方が蓄積が大きいと。これは先生の持論だったね。
いじめ問題にも言及する。いじめ問題の解決方法は、学校に行かなくても生きていける道を作るしかないと。
親は「学校なんかに行かなくてもよい」ということがはっきり言えない。<中略>世間の構造がわかれば、説明できる。説明すれば子どもはわかるし、子どもが理解すれば共闘もできるんです。

アッシ注目の二人の対談だけ取り上げたけど、都会は「意識の世界」、田舎は「無意識の世界」だとか、意識の世界では「あ〜すれば、こ〜なる」だとか、死体はモノかヒトか?といったヨーロー先生の持説がアチコチに散りばめられているよ。
あ〜、『超バカの壁』も読まなくちゃ〜。
見える日本、見えない日本―養老孟司対談集
見える日本、見えない日本―養老孟司対談集養老 孟司

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2008年02月24日

高校生のためのメディア・リテラシー

『高校生のためのメディア・リテラシー』を読んだよ。予想した内容と違う本だったけど…。

メディア・リテラシーって聞くと、すぐにIT系のメディアを思い浮かべるアッシ。だから、ITメディアのリテラシーについて高校生に説く本だと予想したんだけれども、違ったよ。ここでいうメディアとはマスメディアとかの意味に近い。本書の内容としては、長野県のある高校の放送部の活動を通して、高校生たちが「メディア使い」に成長する様子をまとめたもの。

「メディア使い」になるためには、「4つの関係性」が骨組みとなる。それをモデルとしてそれぞれの事例を紹介している。

一つ目は「自分と社会の関係性」。青木湖の減水についての取材を通して、自分と社会の関係性について考える。その鍵となるものは、「知るというのではなく気づく」ことだと筆者。これに「やらされていた」ことが能動的なものに変化するのだと。

二つ目は「メディアとの関係性」。本書では、「伝えるメディア、伝える方法との格闘」という表現も。小道具やカメラワーク、演出方法など。ただ、ここでも格闘する苦しさよりも「苦る楽しい」という表現を使っているよ。分かるような気がする。

三つ目は「自分の中の他者との関係」。受け手としての自分と送り手としての自分、両者の立場の視点が必要だと。クラブ活動を事例に説明しているよ。

四つ目は「循環する関係性」。作られた作品がフィードバックされ、それが作者たるコミュニティーを変えていくという。文化祭や卒業式、入学式までもがメディアによって変化している事例が紹介されているよ。

確かに高校の部活でここまでの活動をすることは凄いことだと思うよ。多分、勉強より楽しかったんだろうなぁ〜と思う。そして、そのモチベーションにより、進学の目標が明確化されるんだろうね。
高校生…、あの頃アッシは何を考えていたんだろ。
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2008年02月22日

生きもの地図をつくろう

『生きもの地図をつくろう』を読んだよ。野外調査は楽しそう。

動植物の分布図を作ることで、身近な自然を考えたり、自然環境保護に役立てたりすることを、中学生に勧める本。中学生って書いたけど、小学生でも高校生でも応用できるよ。もちろん、アッシみたいな爺でも。

動植物の分布といっても、その対象によって手法が違う。だから、ここでは「タンポポ」、「カエルの鳴き声」、「セミの抜け殻」、「鳴く虫」、「野鳥」の5種類を紹介。それぞれが春、梅雨、夏、秋、冬と季節に連携しているわけ。

タンポポの章では、外来種(セイヨウタンポポ、アカミタンポポ)と日本種(カントウタンポポ)の違いがよく分かったよ。外来種というと、日本種を駆逐するようなイメージがあったけど、タンポポはちょっとニュアンスが違うみたい。環境による棲み分けがあるから。ただ、やっぱり都市化による環境の変化が、外来種を増やしている要因なんだよね。だから、外来種が、能動的に日本種を駆逐しているわけではないよね。

カエルの章では、水田の減ったことでカエルが減少したとの説明があるけど、それだけが要因ではないと。水田にも湿田と乾田と2種類あるらしく、乾田が増えたことでオタマジャクシの生態系に影響を及ぼしたと。

セミの抜け殻の章では、抜け殻を探すコツとして、
自分が「抜け殻目」になっていることに気づくでしょう。
と。アッシが花を見るときに「花目」になっているのと同じだぁ〜。

鳴く虫の章では温暖化の影響の話も。平塚市の調査では南方系の虫が発見されているとか。

最後は野鳥の章。今がちょうど、その適期の冬の時期。

そんなわけで、本書で多少得た知識を生かすべく、「鳥目」になっているアッシでしたぁ〜。
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2008年02月16日

「科学的」って何だ!

『「科学的」って何だ!』を読んだよ。科学的見解に弱い世間の人…。

科学者・松井孝典氏とイラストレーター・南伸坊氏の科学に対する考え方対談。本書のテーマとしては、「わかる」と「納得する」の違い。「科学的に分かる」って凄く難しい話みたい。

第一章の「未来はなぜわかるわけがないのか?」では、「人生」とは内部モデルの蓄積だという議論。「いまの瞬間を生きる」とは、時々刻々と入ってくるいろいろな情報をつき合わせながら、その内部モデルを更新していくことだという。そうやって出来上がるのが「自分」という存在。
いまを必死に生き、過去をそうやってきちっと脳の中にためこんでいる人間にとっては、「未来なんてわかるわけがない」と思える。
と、松井氏。

第三章「日本はなぜ不合理がまかり通る社会になったのか?」でのキーワードは、「懐疑の精神」。
まず、前提条件を疑うことからスタートするべきなのにそれを放棄してしまっていると。要するに考えることを諦めているんだよね。「考える」ことを「我慢する」という教育が行われてこなかった結果だとも。う〜む、ここでも教育論が…。しかも、藤原センセー風。
そして「我慢する」ことが、わかる快感とセットになると…。これは茂木センセー風だぁ〜。

第四章では人間の欲望について。地球温暖化は人間の欲望の結果なんだけど、その表現として、
われわれは今、生物学的な例えれば、ゾウ一頭分が代謝するエネルギーを使って生きている。
と。そう、今の地球にはゾウが70億もいるほどのエネルギーを消費しているのか〜。

で、アッシ的結論。本当のことなんで、分かりっこしない。結局、「納得する」のがほとんどなんだよなぁ〜。
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2008年02月11日

フェルマーの最終定理

『フェルマーの最終定理』を読んだよ。最後まで感動の連続で、息つく暇も無く読み切りました〜。

「フェルマーの定理」の証明を巡り、何人もの数学者が挑戦したり、解決の糸口を見つけたり。そして、アンドリュー・ワイルズが証明するまでを描いたノンフェクション。

さて、フェルマーの定理の証明までの道のりは長い。遡ること、ピタゴラスの時代まで。そう、ピタゴラスの定理ってフェルマーの定理に似ている。そう、式の形が。でも、それが二乗から三乗以上になったとたんに超難解ってわけ。
でも、本書はまずはピタゴラスの定理から始まる。ピタゴラスの時代の数学。それは、現代数学の基礎となるので、その詳しい解説が述べられる。素数、円周率、有理数、無理数、虚数etc。

そして、数学の証明とは何か?その厳密性。科学的な証明との違い。故の美しさ。

日本人の名前が4人も出てくるよ。谷山豊、志村五郎、岩澤健吉、宮岡洋一。特に谷山、志村、岩澤は、フェルマーの定理の証明に多大な貢献をしているよ。これは日本人として非常に嬉しいこと。
「谷山=志村予想」は、これを証明すれば「フェルマーの定理」が証明されたことになるというほどのもの。「谷山=志村予想」自身は、楕円方程式だのモジュラー形式だの、ちょっと普通の人には理解し難いような理論。「フェルマーの定理」の理解のしやすさとはかけ離れているのがまた面白い。

ワイルズの証明は、先人の研究成果の上に構築されたもの。あらゆる数学の英知を結集している。高校生(中学生でも?)なら知っている背理法や帰納法などが証明で使われているのも面白い。

全体を通して、何度も出てくるのが「橋を掛ける」という言葉。一見、何の関係も無さそうな数学の二つの分野に橋を掛ける。そうすると難解な問題を違うアプローチから攻略できることになる。う〜む、仕事に応用できないかなぁ〜?

まさに、感動の数学ノンフェクション。数学の大スペクタクル。数学オタクに拍車が掛かりそうです〜。
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posted by りすじぃ at 17:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 40自然科学

2008年02月06日

タテ社会の人間関係

『タテ社会の人間関係』を読んだよ。1967年発刊だけど、いまだに読み継がれているみたい。

「世間学」の原点かと思っていたけど、ちょっとニュアンスが違ったかな。副題は「単一社会の理論」。あとがきにもあるけれども、単なる日本人論ということではなく、たまたま日本が単一社会だっただけ。でも、日本人の特質を述べた本なんだけどね。

で、その「単一性」のキーワードは、「場」による集団の形成、平等主義、同類との競争、感情の優先する世界の形成の4つ。

「場」による集団の形成では、以下の引用が象徴的。
日本社会は、全体にみて非常に単一性が強い上に、集団が場によってできているので、枠をつねにはっきりしたおかなかれば−−集団成員が自分たちに、つねに他とは違うんだということを強調しなければ−−他との区別がなくなりやすい。そのために、日本のグループはしらずしらず強い「ウチの者」「ヨソ者」意識を強めることになってしまう、という集団構成の質のあり方が問題であろう。
で、「ウチ」がすべての世界になってしまうという。

そして、平等主義は序列偏重を生む。誰もが能力的に平等ならば、序列として別のスケールが必要になってくる。それが学歴であったり、生年であったり、入社年であったり。先輩後輩という「タテ」意識の強さが十分に理解できるよね。

ワン・セット主義という考え方も面白いよ。「タテ」意識が強いから、ウチの中で何でも屋になってしまう。何でも屋がたくさん存在すれば、それが同類との競争になる。デパートか総合大学とかがワン・セット主義の事例として上がっているよ。確かに「ヨコ」意識が強ければ、連携体制になるはずだよね。

最後は、感情の優先する世界の形成。これは、頭に「論理よりも」と付く。しかも、それが重要な社会機能を持っているという。
日本人の価値観の根底には、絶対を設定する思考、あるいは論理的探求、といったものが存在しないか、あるいは、あってもきわめて低調で、その代わりに直接的、感情的人間関係を前提とする相対性原理が強く存在しているといえよう。
このことは、前に述べた、リーダーと部下の力関係における接点としてのルールの不在、人と人との関係における契約によって表現される約束の不在ということによっても、遺憾なくあらわれているところである。
このルールの不在という点も「タテ」社会の特性。ルールが無くても、柔軟に権限がタテに移動するってわけ。いいような悪いような…。

とにかく、日本は社会構造的に特殊な社会であることがよ〜く分かったよ。でも、それが効果的に働く場合も有り、逆効果となることもあるってこと。その点をよく知った上で、世渡りしていくのがいいってことなんだよね。
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star日本社会は、40年前から変化していない。
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2008年02月03日

ニッポンの大学

『ニッポンの大学』を読んだよ。業界的に注目されるのはいいことだろうけど…。

あらゆる視点から、ニッポンの大学についてランキングを調査し、それを取り纏めたものだよ。まさに「あらゆる視点」。
これだけの種類のランキングを作れるっていうのは、大学の特性として要素が多いからなのではないかとも思える。ステークホルダーの範囲の広さとかも関係しているのだろうね。

ランキングについての大学の反応として面白かったのは、それを大学の指標として利用するという手もあるってこと。これは今までの大学には無かった姿勢かもね。一概に指標だけに注目しそれだけにしか目が行かないのはいいとは言えないけど、そういう視点が必要だよね。

また、ランキングが上位に来ている大学でも、その事情を知れば、何だかなぁ〜って感じになるところも多々有るよ。それは、大学が変革の時代を迎えていることを意味するのでは…なんて希望的な思いと抱くことはあるけど。

ただ、あとがきの直前に書いてあるけど、普通の大学は学生に教育することをその使命とするわけだけれども、その部分についてのランキングは存在しない。ステークホルダーの満足度とかは、受益者個人の問題だから簡単に数値化できない部分なんだよね。
そんなランキングが発表されたら、今の大学業界なら大混乱かもね〜。
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star大学を外見的統計で測る無意味さを暴露?!
starランキングを出す者が持つべき、責任感が勉強になった。
star大学のモノサシは数パターンあることが必須

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