2008年11月19日

茂木健一郎科学のクオリア

『茂木健一郎科学のクオリア』を読んだよ。茂木健一郎版「爆問学問」のよう。

脳科学者・茂木健一郎氏が日本の科学者たちと対談する本。何故か作家もいるけど。対談する科学者は、立命館大・北岡明佳氏、青山学院大・福岡伸一氏、東京大・西成活裕氏、京都大・遠藤秀紀氏、広島大・長沼毅氏など、以前にNHKの「爆問学問」に登場した先生方が全体の半数ほど。「爆問学問」は欠かさず見ているから、懐かしいような、さらなる話が聞けそうで楽しみなような。
爆笑問題のようなアヤシイ突っ込みはないだろうけど。

さて、対談での会話で面白いと思ったところを幾つか紹介。

いきなり作家だけど、小川洋子氏。当然『博士が愛した数式』の話題から。そこで、数学と小説の共通点について、語り合う。両者ともぼんやりしたイメージがあって、それを具体化していく作業だと。最終的にはどの要素が掛けても成立しないものを作り上げていくと。
雑誌「Newton」の最新号(2008年12月号)でも特集している虚数について、小川氏。
数学の世界に虚数が現れたときに、みんながすごい戸惑ったんだけれども、でも虚数の存在をみんなが受け入れていく。あの過程は面白いですね。ゼロもそうですね。ないものを受け入れて、そこに矛盾が生じないということが不思議です。
そう、虚数の存在は確かに不思議だけれど、受け入れてみるとそこには美しい世界が広がっている。あ〜、魅惑の虚数…。

福岡伸一氏との対談。そのあとがきで、茂木氏は昨今の日本人は「わかりやすさ」の病に罹っているように見えるという。すべては仮説に過ぎないのにそれが絶対的な真理のように語られることが多いし。その中で、アインシュタインに対する次の言葉。
ニュートン力学は絶対的なもののように思われていたが、アインシュタインという一人の若き革命家によって書き換えられた。その適用限界を知ることも科学の大切な一側面だとすれば、ニュートン力学を本当の意味で理解した最初の人はアインシュタインだったといってもよい。
なるほど、そうか。それ以前の人たちは、適用限界すら見えていなかったのだからね。

最後は観測的宇宙論の須藤靖氏。須藤氏のあとがきがすっきりしていて分かりやすいよ。人間原理という考え方。要は宇宙は一つではなくたくさんあるのだと。その中で生命を生み出す特別な条件をたまたま満たす「宇宙」だけに人間が存在するのだと。だから、人間が存在しない宇宙の方が自然なのだと。
面白いよね。多宇宙という考え方は初めて聞いたよ。そう考えるか〜て感じ。

やっぱり科学は楽しい。夢があるよね。ワクワク感というか。アッシのこのブログも「40自然科学」カテゴリがダントツ1位だよね。
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2008年11月01日

解剖学個人授業

『解剖学個人授業』を読んだよ。解剖はやっぱり怖い…。

南伸坊氏の個人授業。アッシ的にはシリーズ2冊目。例によって、養老先生の講義を聞いて、南氏がノートにまとめる。そのノートには、養老先生の言葉がそのまま入ったり、南氏のコメントとか考えが綴られたり。

さて、講義は解剖学って何?から始まる。そう、人体を解剖して、中身を調べてしまえば終わりなのに…って普通の人は思うかも。いや、アッシも含めて。でも、南氏の講義ノートでは、解剖学は「おもしろ主義」だと。知りたいんだからしょうがない。人間の性だね。

次いで、解剖学の歴史。山脇東洋が日本で最初に解剖した人物。それ以前には、萩生徂徠や二宮尊徳の話も。この二人は自然と人間を区別する考えを持っていたと。これは日本の自然科学分野の推進の基盤となったとか。尊徳ってそういう人だったんだぁ〜。薪を背負ってただけじゃない…。

耳小骨の話も面白い。元々は顎にあった骨なんだけど、進化の過程(哺乳類になる段階)で、顎から外して耳の中に入れたとか。だから、人間の顎の骨は外れやすい。進化的にまだ新しくて、出来が悪いのだとか。骨伝導の話も面白いから、読んでみるとよいよ。なんとなく生物学の話になっているけど。

中盤は哲学とか数学の話も。
科学は実証的でなければいけないのか?実証的でないならば科学ではないのか?という議論。科学と個人信仰をゴッチャにしてしまっている人が多いのかも。
数学の話は「無限」について。これも摩訶不思議な世界だから。

現実とは何かという話にも及ぶ。
現実とは、ある特定の重みづけをされた世界である。
と。その重みづけは個人毎に違う。となると、真実って誰にも分からなくなってくるわなぁ〜。

基本的には養老先生の『考えるヒト』『解剖学教室へようこそ』『死の壁』などの内容に近いかも。そうなると養老先生の話を直接聞いた方がいいかもしれないなぁ〜。南氏の話、悪くは無いんだけど、冗長かもなぁ〜。
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2008年10月25日

進化論の5つの謎

『進化論の5つの謎』を読んだよ。ちくまプリマー新書にしては、難しすぎる…。

「進化論」という言葉に引かれて、且つちくまプリマー新書だったので、読んでみたけど、まずは難しすぎる。
Amazonのカスタマーレビューでも「馬鹿と言われても結構です。」などと書かれている。アッシもそういう気分。

じゃ、何が難しいのか。要は本書を科学本だと思っていたから。哲学とか現代思想から、進化論を語っているのが本書。それも、無理やりこじつけているような気がしないでもない。ここで語っている「5つの謎」についても。

元々本書の底流にあるものは、「進化論は科学ではない」という考え方。
進化は実証されてはいないのである。進化論はただ、化石など、数万年単位でしか何も特定できない乏しい資料を状況証拠として使って作り上げられた「仮説」にすぎないのである。
そう言われてしまうとそうなんだけどね。

もう一つ。人間は進化を目的的に捉えてしまうという。ところが、進化は単なる機械的なものなので、目的的に捉えると進化論の意味するところから外れてしまうと。この論点は、「5つの謎」を解明するためのキーワード風に使われているよ。

と、アッシが理解できたのはここまで。後半の議論はほとんど理解できず。これだけ頭の中に入らなかった本は久しぶり。前述のように自分の頭の悪さのせいかもしれないけど、読後感の悪い1冊でした。
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2008年09月22日

脳のからくり

『脳のからくり』を読んだよ。脳科学は、医学でもなく、物理学でもなく、化学でもなく、ましては哲学でもない。

サイエンスライターの竹内薫氏が、脳の基本をまとめたもの。あとがきにもあるように、筆者自らが勉強して書いたものなので、非常に分かりやすく書かれているよ。理解しやすいように例え話もふんだんに盛り込まれているし。

前半はどちらかというと医学系。生体としての脳の構造とか。例えば、脳のある生物の中でも人間が特に発達している前頭前野がおでこのあたりにあって、これが機能しないと、認知症症状になるとか。いわゆるゲーム脳は、脳的には認知症と同じ現象なのだとか。

そして、視覚で捉えた画像を脳がどう処理するかの問題。これは、人間が見たものは真実を伝えていないことがあることを明確にすることに繋がっていくよ。
そう、人間は真実を見ているのではないんだ。自分が見ているものと他人が見ているものが違うかもしれない。自分は赤だと思っていても、他の人は緑に見えているのかもしれない。これってすごく不思議な感覚だよね。

脳の神経細胞「ニューロン」が出てきて、ニューロンを繋ぐシナプスの話へと続く。繋ぐといえば、ネットワーク。脳の中はニューロンのネットワークで構成されているんだよね。そこへ「意識」の話が登場するよ。
脳が物質からできていて、その神経ネットワークから意識が生まれるのであれば、どんなネットワークにも多かれ少なかれ意識が存在する?
と筆者。疑問文にはしているけれども、これは大胆な仮説。意識は「ネットワーク上のエネルギーの相互作用」が原因だとも。事実、チャーマースという哲学者は「サーモスタットにも意識がある」といっているらしいよ。

さらに、ロボトミー手術、失語症、アルツハイマー型認知症と、脳が壊れる話が続き、最後に「クオリア」が登場する。
ここでは、ペンローズの量子脳が紹介されているよ。これは、脳の中では量子力学の波束の収縮という現象が起きているのだという仮説なんだけど、ここで量子力学が出てくるとはなぁ〜。驚き過ぎるよ〜。

本書の最後にやっと茂木さんの一稿が登場。クオリアについて、また新たな見方を提供してくれているよ。
クオリアは、それを実際に体験しなければ類推が利かないものであるからこそ、クオリアを感じてしまった人と、まだ感じていない人のあいだには断絶があります。その断絶を乗り越えようとして、私たちはコミュニケーションを試みるのかもしれません。
だからこそ、新しいクオリアとの出会いは、人を雄弁にするのでしょう。
そうそう、数値で表せるものは数値で示せばよい訳でもないよね。旅行の記録は写真を見せればよいって訳にもいかないよね。確かに、クオリアを伝えたくて、コミュニケーションしているね。納得〜。
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2008年08月02日

新しい太陽系

『新しい太陽系』を読んだよ。太陽系はドンドン新しくなる〜。

筆者は、太陽系小天体の観測研究が専門、国立天文台の情報センター長。ここまで書くと普通の天文学者って感じだけど、冥王星が惑星か否かの定義を確定した国際天文学連合「惑星定義委員会」の委員っていうと一味違うよね。

本書は太陽系を構成するさまざまな天体を取り上げて、その全体像を説明、そして、冥王星が惑星というカテゴリから外れた理由を説明しているよ。当時の新聞では降格といった印象が強かったけど、結局、太陽系のことを知らなければ、その本当の理由は理解できないわけだからね。

そんなわけでプロローグでは、太陽系を観測するツールの技術発展について述べているよ。天体望遠鏡の発明に始まり、星図の整備や天体力学の発展、写真技術の革新、そしてCCD素子の発明など。これらは新しい太陽系の解明に貢献しているってわけ。

この後は、太陽系の要素についてそれぞれを解説。

まずは太陽。
太陽の中心部の核融合反応で生まれたエネルギーは光になって放射として外に向かって行くのだけれども、太陽の中心部は押しくらまんじゅう状態の物質の中でなかなか外に出られなくて、表面に達するまで、数十万年から一千万年くらいかかるといわれていると。つまり、太陽の表面で光り輝いているエネルギーは少なくとも人類が文明を築く以前に生まれたものであるということになる。これはビックリ。
単に我々が燃えるというイメージで捉えていたものとはまったく違うわけだよね。核融合反応なわけだからね。

さらに月の話題も面白い。
月は1年に3センチずつ地球から遠ざかっていっているという。その理由は、地球が月の公転に比べて高速で自転しているからだと。そして、エネルギー保存の法則から、地球の自転は(10万年に1秒ほどの割合で)次第に遅くなるという。これもまたなんとも不思議な話。っていうか、当たり前なんだけど、ここでもニュートン力学が通用しているっていうのが微妙な気分…。

ニュートン力学といえば、木星の衛星イオに火山活動があったという話も力関係。木星との潮汐力で形が歪められ、内部に熱を持つ。この熱で硫黄などが溶け出し、表面に噴出してくるという。う〜む、恐るべし力。それだけ、質量がデカイってことなんだろうけど。

さて、いよいよ冥王星の話。冥王星にはカロンという衛星がある。ところが衛星と言えども、大きさは冥王星とあまり変わらない。となると、衛星というより、二重惑星と呼んだほうが適切ではないかと筆者。

そんな訳で、冥王星を含む太陽系外縁天体の話。これらは微惑星から惑星へと成長する途中の段階のまま、凍ってしまった天体だと。だから、太陽系天体の分類は、その生成の過程を知ることが重要なんだよね。単に冥王星が惑星から外されたという心象だけの話ではないってこと。
太陽系外縁天体は、太陽系形成初期の惑星成長の過程を現在に至るまで保存している化石といえるのである。
と、筆者。

ということで、冥王星が格下げされたことについて、いろいろと意見があるんだろうけど、成長過程という観点を盛り込んで結論を出したことは、アッシには非常に分かりやすく思えるんだけど。あとは、心象の問題だけなんだよね。
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2008年07月07日

生物学個人授業

『生物学個人授業』を読んだよ。疑問にも思わなかったことが新たな疑問に…。

発生生物学の岡田節人先生の講義をイラストレータの南伸坊氏が聞く。それを南氏なりの解釈でまとめる。で、先生の一言アドバイスで締める。その他に補講付き。

先生の講義は、三つの大事な言葉を覚えることから。細胞、DNA、細胞核。そして、もう一つ大事なこと。それは「生命は絶えたことがない!」と。細胞には2種類あって、それは体細胞と生殖細胞。体細胞は一代限り。でも、生殖細胞はいつまでも絶えることがないと云う。だから、遺伝子治療とは、生殖細胞に影響がないように、体細胞だけに操作を施すことなんだと。

細胞の話をきっかけに死の話、ガンの話と続く。イモリはガンでは死なないらしいよ。ガンには掛かるけれども自分で治してしまっていると。
生物学的にいうとガンは大したことない。というのは、だから気にするなということではないんですね、ガンというものを、人間の側からだけではないアングルから見てみる、というところに意味がある、と私は思います。
と岡田先生。そして、この考え方がガン治療に応用されているようだよ。

突然だけど、オタマジャクシはカエルの子だよね。これは生物学的には「分化」というよ。この分化を「仮の姿」だと岡田先生。卵の時と本質的に変わっていないから。

で、その卵の時と何が変わっていないのか。それはDNA。細胞はDNAを複写しているだけなのに、どうして分化が起こるのか。そして、卵1個から、どうして脳の細胞や胃の細胞が出来るのか?あまりにも不思議。
これは、DNAが命令だけ持っていることに由来するからだと。そして、すべての細胞は、無駄だと分かっているのに、自分が係わる以外のDNAを持ち続けている。仕組み的には、単なる複写なんだから、そうだよね。これを、岡田先生は「宝の持ち腐れ作戦」と名付ける。トカゲの尻尾が再生するのも、この「宝の持ち腐れ作戦」によるものだね。

あ〜、生物とはなんとも不思議なものなんだろ。前回紹介の『解剖男』も然り。人類の探究心がいつまでも続くのはこの不思議さ故なんだろうね。
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2008年07月05日

解剖男

『解剖男』を読んだよ。熱い語り口が魅力?

動物の遺体を観察することで、動物の進化の過程を科学的に解明しようとする「遺体科学」を提唱する筆者。さらに遺体を文化としても扱おうという。そして、現場主義、現物主義を貫く姿勢。なかなかユニークな人物のような。

実際の解剖を始める前に、まずは遺体の運命について語る。例えば、渋谷の忠犬「ハチ公」。剥製は国立科学博物館に保存されているとか。そして、解剖の記録が在り、そこからハチ公の死因を分析する。フィラリアなのか、それとも焼き鳥の串なのか…。
その他に、キリンの「タカオ」、ライオンとヒョウの合いの子レオポンの「チェリー」など。当時の日本人の動物観をこれらの遺体が物語る。
そして、もっと地味なコウモリやネズミの遺体。どの遺体も科学や生物学や解剖学の、まったく新しい真実をつかみ出して生きているという。

解剖に取り掛かる。硬い遺体と称して、「骨」の話から。ここでは、系統と適応という考え方を学ぶよ。
キリンがシカやウシの仲間に近いとは系統の話。これは今ではDNAが正確に語ってくれる。ところが、
適応、すなわちライフスタイルに合わせた動物の形を調べようとすれば、骨こそがずば抜けて第一に重要な情報源になるだろう。<中略>今後生物学が遺伝子の内実をいくら解消したとしても、でき上がった形の機能を知ろうとする好奇心に対して、遺伝子の研究が応えてくれることはけっしてない。
と云う。骨は普段は寡黙だが、人間の好奇心に対しては素直に語ってくれるのかもしれないね。

具体的な骨の代表として頭骨に関する考察。どんな頭骨とは何かという結論はすごく単純なこと。それはモノを食べることと脳を守ることが基本設計であると。確かに、そう言われてみれば、もうホントにそうとしか言えないよね。

骨の話ももう少し。シカの足の骨。骨だけを取り出してよ〜く観察してみると、シカは指先だけで立っている。そして、人間でいう踵はすでに地面からは離れて高い位置にある。これはビックリ。そういう構造になっていたんだ〜。これは早く走るための適応なんだよね。

もうひとつ。軟らかい遺体は内臓。代表的な事例はウシの反芻胃。完全に草を食べるためにデザインされたもの。筆者は、反芻獣を「究極の草食獣」と表現するよ。

現代社会は遺体に無関心であると筆者。これを見直すために「遺体科学」と提唱するという。どうして現代人は遺体に無関心になったのだろう。養老先生の『死の壁』にそのヒントがあったような気がするなぁ〜。
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star動物の解剖について。
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star現物とガップリ四つに組む科学者

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2008年05月31日

科学の扉をノックする

『科学の扉をノックする』を読んだよ。軽めの科学読み物が流行っている?

作家・小川洋子氏が科学者を訪ね、科学の話をレポートする本。NHKの「爆笑問題のニッポンの教養」のスタンスかも。

さて、登場する科学者は様々。天文学者とは、宇宙の始まりを語る。鉱物学者とは、なぜか虚数の話題。鉱物の構造を分析する時に複素数が使われるという。だから、この鉱物学者は虚数は自然界に存在するのだと。
そして、バラの花に似る鉱物の話のところで、作家らしい表現が登場する。
鉱物と植物、縁遠いはずの二つの世界に、同じ構造を持った形が存在する。ある統一された法則が、交わるはずのない鉱物と花を、見えない絆で結び付ける。<中略>それはきっと、広大な自然を統制するにふさわしい、あまりにも美しい数式であるに違いない。
『博士が愛した数式』に出てくる台詞のよう。

遺伝の話では、“サムシング・グレート”という言葉がキーワード。すべての命の元となるようなものだという。それは決して石ころのようなものではないと。←ここはアッシとちょっと違う。命の元は石ころのようなものでもいいんじゃないかなぁ〜。

大型放射光施設「スプリングエイト」では、こんな表現も。
人間の目はちっぽけなものだが、人間より大きな像でも富士山でもお月様でも見ることができる。なのに目よりもずっと小さい世界を見ようと思ったら、人間の何倍もの大きさの装置を使って、目にも見えない速さのエネルギーを生み出さなければならない。これは何と、美しい矛盾だろうか。
と。

話は粘菌、遺体科学と続く。最後になぜか阪神タイガースのトレーニングコーチが登場。このコーチが何度か「スポーツは所詮、人間がやるものですから」と言う。そう、科学的な解明は進むけれども、科学は精神と肉体というメディアがあって成り立つもの。
そう考えると、やっぱり人間って凄いなぁ〜。
科学の扉をノックする
科学の扉をノックする小川 洋子

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star粘菌から宇宙まで。科学って、こんなにも深くて美しいんだな
star科学オンチにも優しい本
star科学の魅力を余すところ無く伝える

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2008年04月27日

生き方が変わる数学

『生き方が変わる数学』を読んだよ。…ってどんなんだ〜って気がするけど。

ちょっとした数学問題を提示して、数学的なお遊びを楽しむ本。「はじめに」には、「数学遊戯」って書かれているよ。茂木先生のアハ体験に近いのかも。

で、アッシのアハ体験を2つほど紹介。
このシンメトリーを抽象的に研究する学問が群論と呼ばれる数学の一分野です。
驚いた〜。しかもガロア理論は群論を使って証明したとか。これって、フェルマーの定理の時と同様に、まったく別物だと思っていたものに架け橋を掛けたんだよね。凄いなぁ〜。
学生の時に、ゼミでガロア理論をテーマとしたけど、そんな風には受け取れなかったなぁ〜。やっぱり、おバカな学生だったなぁ〜。

もう一つは、「数学おもしろ算歌」を3つほど。
平面の 中の点より 界まで 距離ぞ等しき 形ぞ円ぞ(円の定義)
点はただ 位置はあれど うちたえて 幅も厚さも 長さだになし(点の定義)
三角の 1つの角の 外角は 他の内角の 和にぞ等しき(三角形の定理)
和歌風にどうぞ。
生き方が変わる数学
生き方が変わる数学樺 旦純

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2008年03月16日

数学でつまずくのはなぜか

『数学でつまずくのはなぜか』を読んだよ。タイトルだけだと教育論かと思いきや、そうではなくてあくまで数学本。

タイトルの通り、数学でつまずく原因とその対応策を考える。特に中学で算数から数学に変わると分からなくなる。それが単に中学教育が悪いとかそんな浅はかな結論を筆者は言わない。その解決方法にさえ、数学の別の手法を使っているよ。そこがユニークなところ。
そして、前書きには、いきなり
あなたが数学でつまずくのは、数学があなたの中にすであるからだ。
というパラドキシカルな言葉。これは本文中のアフォーダンスという概念に繋がっていく。

カテゴリ毎にいろいろな話題を題材に話は進む。幾何では、ユークリッドの公理系が主な話題。ユークリッド幾何学は、平面状では通用するけど、球面上では成り立たない。ということは、宇宙空間にまっすぐ引いた直線も成り立たないのかも。そこから導かれる結論は、
わたしたちの宇宙は、わたしたちには想像できないようなねじ曲がり方をしていることになる
かも…と。

自然数の話題では、ホワイトヘッドという数学者の言葉を紹介しているよ。
「魚が七匹いる、という7と、一週間が七日ある、という7が同じものだと認識した人間は大変な発見をしたのだ」
この言葉は自然数の難解さを象徴しているような。その難解さとは定義そのもの。自然数の定義なんて…と思うかもしれないけど、数学的な厳密な定義は非常に難しいよ。最後は集合論まで駆使しているから。自明なことを定義する難しさ。まさに自然数の定義はそれを思い知らされた話題でした〜。
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2008年02月22日

生きもの地図をつくろう

『生きもの地図をつくろう』を読んだよ。野外調査は楽しそう。

動植物の分布図を作ることで、身近な自然を考えたり、自然環境保護に役立てたりすることを、中学生に勧める本。中学生って書いたけど、小学生でも高校生でも応用できるよ。もちろん、アッシみたいな爺でも。

動植物の分布といっても、その対象によって手法が違う。だから、ここでは「タンポポ」、「カエルの鳴き声」、「セミの抜け殻」、「鳴く虫」、「野鳥」の5種類を紹介。それぞれが春、梅雨、夏、秋、冬と季節に連携しているわけ。

タンポポの章では、外来種(セイヨウタンポポ、アカミタンポポ)と日本種(カントウタンポポ)の違いがよく分かったよ。外来種というと、日本種を駆逐するようなイメージがあったけど、タンポポはちょっとニュアンスが違うみたい。環境による棲み分けがあるから。ただ、やっぱり都市化による環境の変化が、外来種を増やしている要因なんだよね。だから、外来種が、能動的に日本種を駆逐しているわけではないよね。

カエルの章では、水田の減ったことでカエルが減少したとの説明があるけど、それだけが要因ではないと。水田にも湿田と乾田と2種類あるらしく、乾田が増えたことでオタマジャクシの生態系に影響を及ぼしたと。

セミの抜け殻の章では、抜け殻を探すコツとして、
自分が「抜け殻目」になっていることに気づくでしょう。
と。アッシが花を見るときに「花目」になっているのと同じだぁ〜。

鳴く虫の章では温暖化の影響の話も。平塚市の調査では南方系の虫が発見されているとか。

最後は野鳥の章。今がちょうど、その適期の冬の時期。

そんなわけで、本書で多少得た知識を生かすべく、「鳥目」になっているアッシでしたぁ〜。
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2008年02月16日

「科学的」って何だ!

『「科学的」って何だ!』を読んだよ。科学的見解に弱い世間の人…。

科学者・松井孝典氏とイラストレーター・南伸坊氏の科学に対する考え方対談。本書のテーマとしては、「わかる」と「納得する」の違い。「科学的に分かる」って凄く難しい話みたい。

第一章の「未来はなぜわかるわけがないのか?」では、「人生」とは内部モデルの蓄積だという議論。「いまの瞬間を生きる」とは、時々刻々と入ってくるいろいろな情報をつき合わせながら、その内部モデルを更新していくことだという。そうやって出来上がるのが「自分」という存在。
いまを必死に生き、過去をそうやってきちっと脳の中にためこんでいる人間にとっては、「未来なんてわかるわけがない」と思える。
と、松井氏。

第三章「日本はなぜ不合理がまかり通る社会になったのか?」でのキーワードは、「懐疑の精神」。
まず、前提条件を疑うことからスタートするべきなのにそれを放棄してしまっていると。要するに考えることを諦めているんだよね。「考える」ことを「我慢する」という教育が行われてこなかった結果だとも。う〜む、ここでも教育論が…。しかも、藤原センセー風。
そして「我慢する」ことが、わかる快感とセットになると…。これは茂木センセー風だぁ〜。

第四章では人間の欲望について。地球温暖化は人間の欲望の結果なんだけど、その表現として、
われわれは今、生物学的な例えれば、ゾウ一頭分が代謝するエネルギーを使って生きている。
と。そう、今の地球にはゾウが70億もいるほどのエネルギーを消費しているのか〜。

で、アッシ的結論。本当のことなんで、分かりっこしない。結局、「納得する」のがほとんどなんだよなぁ〜。
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2008年02月11日

フェルマーの最終定理

『フェルマーの最終定理』を読んだよ。最後まで感動の連続で、息つく暇も無く読み切りました〜。

「フェルマーの定理」の証明を巡り、何人もの数学者が挑戦したり、解決の糸口を見つけたり。そして、アンドリュー・ワイルズが証明するまでを描いたノンフェクション。

さて、フェルマーの定理の証明までの道のりは長い。遡ること、ピタゴラスの時代まで。そう、ピタゴラスの定理ってフェルマーの定理に似ている。そう、式の形が。でも、それが二乗から三乗以上になったとたんに超難解ってわけ。
でも、本書はまずはピタゴラスの定理から始まる。ピタゴラスの時代の数学。それは、現代数学の基礎となるので、その詳しい解説が述べられる。素数、円周率、有理数、無理数、虚数etc。

そして、数学の証明とは何か?その厳密性。科学的な証明との違い。故の美しさ。

日本人の名前が4人も出てくるよ。谷山豊、志村五郎、岩澤健吉、宮岡洋一。特に谷山、志村、岩澤は、フェルマーの定理の証明に多大な貢献をしているよ。これは日本人として非常に嬉しいこと。
「谷山=志村予想」は、これを証明すれば「フェルマーの定理」が証明されたことになるというほどのもの。「谷山=志村予想」自身は、楕円方程式だのモジュラー形式だの、ちょっと普通の人には理解し難いような理論。「フェルマーの定理」の理解のしやすさとはかけ離れているのがまた面白い。

ワイルズの証明は、先人の研究成果の上に構築されたもの。あらゆる数学の英知を結集している。高校生(中学生でも?)なら知っている背理法や帰納法などが証明で使われているのも面白い。

全体を通して、何度も出てくるのが「橋を掛ける」という言葉。一見、何の関係も無さそうな数学の二つの分野に橋を掛ける。そうすると難解な問題を違うアプローチから攻略できることになる。う〜む、仕事に応用できないかなぁ〜?

まさに、感動の数学ノンフェクション。数学の大スペクタクル。数学オタクに拍車が掛かりそうです〜。
フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
フェルマーの最終定理 (新潮文庫)Simon Singh 青木 薫

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2008年01月31日

生物と無生物のあいだ

『生物と無生物のあいだ』を読んだよ。科学の本なのに、文学的。

タイトルからして何だか詩的というか文学的。科学的に言うと、要は「生命とは何か?」を分子生物学的な観点から説明した本だよ。

DNAの複製の仕組みがよ〜く分かったような気がする。対という構造そのものがまさに複製の仕組みを意味しているんだね。まさにジグソーパズルをはめ込むように、もう一方の相手方の型が決まるという。シンプルな考え方を繰り返すことで複雑系を組上げていくという仕組みの凄さに感動するよ。

そして、「原子はなぜそんなに小さいのか?」という命題。言い換えると、
生命現象もすべては物理の法則に帰順するのであれば、生命を構成する原子もまた絶え間のないランダムな熱運動から免れることはできない。つまり、細胞の内部は常に揺れ動いていることになる。それにもかかわらず、生命は秩序を構築している。
ということになる。
さて、この回答は本書を読んでいただくとして、ここでは数学的な概念がその回答を支えているとだけ、言っておこうと思う。ランダムから秩序とは…想像したこともなかったけど。

さて、生命とは何か…の答えだけど、そのヒントとして、ルドルフ・シェーンハイマーの言葉が上げられているよ。
それは、
秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない。
と。
ここに、モノにはない時間という概念が存在するわけ。

途中に野口英世やら、科学者の話題も散りばめ、且つエピローグのエッセイ風な文体。まさに、文学的な科学本で、楽しく読めました〜。
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)福岡 伸一

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2008年01月18日

「脳」整理法

『「脳」整理法』を読んだよ。タイトルだけを見るとハウツウ本に思えるけど。

人間の脳がインプットされる情報をどう整理していくか…といったところの観点から、「世界知」と「生活知」の緊張関係を把握するのが本書の主題。と言っても、じゃ、「世界知」、「生活知」って何?ってところから入る。
「世界知」とは世界共通で認識されている科学的な知、「生活知」とは個がいかに生きるべきかということに必要な知と説明されているよ。ここの緊張関係が成り立つとは…。
詳しいことは本書に譲るけれども、要は、「世界知」的には60%の確率で発生することが、「生活知」的には、0が100でしか有り得ないというようなイメージだよ。

そして、時間という概念も同じ。「今」という瞬間を生きながら、しかも一瞬先は何が起こるか分からない世界に生きる我々。ところが、「世界知」的には、「神の時間」を想定して、相対性理論を構築できてしまう。何とも不思議な感覚。これは奇跡的なことだと茂木先生は言う。

もうひとつ。確率的な話。
ある要素がコントロール不可能ならば、それはもはや確率の中で扱うしかない、というのが近代科学の基本的立場です。
と茂木先生。「世界知」では確率で扱うけれども、「生活知」ではどうしてもコントロールしたくなる。ここでも緊張関係が存在しているよね。

全編に渡って出てくるキーワードが、茂木先生の研究テーマのひとつである「遇有性」。特にセレンディピティの考え方は秀逸。簡単に言うと、偶然の幸運に出会う能力らしいんだけど、セレンディピティの要素「行動し、気づき、受容する」が大切なんだと筆者。

最後は、成功体験が脳を強化する話。これはTVなどでよく出てくるよね。

やっぱり、人生のハウツウ本だったのか、それとも脳科学の本だったのか。読み終わった今、微妙な気分。そういえば、茂木先生、今年から読売新聞の人生相談の回答者になったそうな。やっぱり、この本に書いてあるような立場から、回答するんだろうなぁ〜。
「脳」整理法 (ちくま新書)
「脳」整理法 (ちくま新書)茂木 健一郎

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star「絶対的なもの」は存在しない
star内容とは全く関係ありませんが
star脳を考えることは、ワタクシを考えること、生きることを考えること。

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2008年01月13日

宇宙の始まりの小さな卵

『宇宙の始まりの小さな卵』を読んだよ。壮大な科学のロマン。

副題に「ビックバンからDNAへの旅」とあるように、まずはビックバンで何が起こったのかを解明する。そして、生命の誕生。生命とは何かを語るには、DNAを無視することはできない。…と簡単に言ってしまうとそういう本なんだけど、読んでみると壮大な科学ロマン。物理、化学、生物、地学のすべての知識を総動員させて書かれたものという感じがするよ。

さて、ビックバンの話なのに、冒頭は化学の話から。水素とか酸素とか原子とか電子とか。高校の教科書では、原子の説明で、陽子の周りを電子が回っている図が示されているけれども、どうも実際は違うらしいよ。
ボーアのモデルというのは、話をわかりやすくするための模式図で、実際に電子が回転しているわけではないということになったのです。
原子核の周囲にある電子は、確率の雲としてある領域に分布しています。
こういう雲のような実体は、粒子と区別して「量子」と呼ばれます。
なるほど、量子物理学とはここから来ているのかぁ〜。

続いて、電気。ここにはなるほどと思える見解。「人間は電気で動いている」と。人間が動くことが出来るのは、体内の化学反応の作用。化学反応とは電子の動き。電子は電荷の力で動くわけだよね。だから、人間は電気で動いているのだと。考えたこともなかった見解なので、唸るしかないよ。

そして、宇宙の始まりの解明へ。現代科学の認識では、バックバンから0.01秒以降の動きについては解明されているという。ただ、その0.01秒より前の世界については、
時間も大きさもわからない不確定な領域が、ゼロ時間の周囲に存在するのです。従って特異点というものは、もしあったとしても、わたしたちには認識できないのですが、認識できないものは存在しないという量子論的な解釈に従えば、こういいきってもいいはずです。
特異点というものは、存在しない。ただプランクの長さ、プランクの時間の、不確定な領域が存在するだけである…。
という見解。凄いと思う。

さて、話はエントロピーとかDNAとかを織り交ぜて、生命の話。そして、筆者はこれらの科学の凄さより、それを解明して人類が知っているということが凄いことだという。知の力の凄さだよね。

さて、アッシ的な結論。科学というものは、宇宙の始まりを解明するために存在するのではないか。なんだか哲学的な見解になってしまったけど。
宇宙の始まりの小さな卵―ビッグバンからDNAへの旅
宇宙の始まりの小さな卵―ビッグバンからDNAへの旅三田 誠広

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2007年12月27日

素数ゼミの謎

『素数ゼミの謎』を読んだよ。数学と生物学の見事なコラボレーション。

アメリカに13年、あるいは17年に一度だけ大量発生するセミがいるという。大量発生の数も半端じゃない。50億匹だとか。想像を絶する数。しかも狭い範囲での発生だから、平均すると1平方メートルに40匹。うるささも想像外だよね。

解明すべき謎は、「なぜこんなに長年かけて成虫になるのか?」、「なぜこんなにいっぺんに同じ場所で大発生するのか?」、「なぜ13年と17年なのか?」の3つ。

はじめの2つの謎は、まさに地球の歴史と直結しているよ。地球が誕生してから46億年。その間に何度となく訪れた氷河期。セミという生物の歴史も古いらしく、現在まで生き残っているものは、その氷河期を何とか生き延びたセミたち。その結果が「長年かけて成虫になる」セミを誕生させたわけ。そして「同じ場所で大量発生する」原因も氷河期にかろうじて氷河に覆われなかった場所があったことに起因する。

さて、3つ目の謎はどうか?
13と17が素数だということがポイント。素数の最小公倍数は、大きな数字になるという性質。確かに、素数が絡む最小公倍数はスゴク大きな数字になる。これは周期が異なるセミが同一年に発生するタイミングを意味することになる。
そして、これに進化論が絡む。周期が異なるセミが同じ年に発生すると交雑が起きて…。
アッシの謎解きはここまで。ここで答えを言ってしまうのは勿体ないので、本書を読むことをお勧め。

壮大でちょっとロマンチックな素数ゼミの話は、アッシにとって、ちょっと感動のいい話でした〜。
素数ゼミの謎
素数ゼミの謎吉村 仁

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star数学って、…快感!
starこんなに情報量の多い本はない
starなぜ素数なのか?著者の教育的配慮はいいが、書としての情報量は少ない

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2007年11月11日

ダーウィンの「種の起源」

『ダーウィンの「種の起源」』を読んだよ。やっぱり訳本は読み難い。

長谷川眞理子先生のダーウィン関連本はいくつか読んできたので、その先生の翻訳なら分かり易いかもと翻訳本に手をつけてみたけど、やっぱりダメ。機械的な翻訳になってしまうのは何故だろう。訳者の「はじめに」と茂木先生の巻末の文章がなんと読みやすいことか。

と、文句を言っても仕方が無い。本書はダーウィンの生涯、『種の起源』の発表の背景やその周辺のあれこれを紹介しているよ。

『種の起源』の背景は、ビーグル号による航海など、多くを他書によって語られているし、アッシもそれで読んだことがあるから、ここでは特に言及しない。アッシ的には、『種の起源』発表後の社会的な影響に興味を覚えたよ。

ひとつは、国家間や人種間に存続をめぐる闘争があるという示唆。
『種の起源』が出版されてから、闘争こそを原動力とする社会経済政策を正当化するものとして、悪名高い「社会ダーウィニズム」の考えが成功を収めるようになった。<中略>「適者生存」というスペンサーのいかがわしい造語は、経済的な拡大、急速に環境に適応して植民地化を行っていく状況を描写するに適していた。
と、国家間だけでなく、経済成長に必要なものとして、取り入れられていったらしいよ。

そして、それに伴う教会の権威の衰退。これも社会的な影響が大きいよね。さらに、優性という考えたから、人種、民族の違いによる差別や虐待も発生する。ナチの主張はこれを根拠とすると。

ダーウィンはこれらの影響を分かっていたんだろうね。だからこそ、『種の起源』の出版に慎重だったんだろうね。そして、出版後も自ら論争の表に出ることは無かっただろうね。
ダーウィンの「種の起源」 (名著誕生 2)
ダーウィンの「種の起源」 (名著誕生 2)長谷川 眞理子

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2007年10月12日

すばる望遠鏡の宇宙

『すばる望遠鏡の宇宙』を読んだよ。理論の実証をすばるで。

ハワイ島マウナ・ケア山頂(4205m)に建設されたすばる望遠鏡。その建設の歴史、構造と機能、そしてすばるを利用した研究の実績などを紹介した本だよ。写真もいっぱい。

『わかる!宇宙と生命の不思議』に書かれていた太陽系の歴史、太陽系以外の惑星の存在の探求、銀河、銀河団、大規模宇宙構造、ビッグバンなどなど、多くの理論をすばるによって、実証的に検証されていることがよく分かるよ。

ドップラー効果で太陽系外惑星の存在を確認する方法も理論的に解説。そして、すばるで直接観察することができるのも間近かも。期待できそうだよ。

もっとすごいすばる。128億光年もの彼方の銀河が観察できる。宇宙の歴史が137億年といわれているから、128億光年はすごい。それは宇宙の誕生の謎に迫る可能性が高くなること。だから、今後が楽しみ。

科学の夢は尽きないよね。でも、すばるプロジェクトにはどれだけの経費が掛かっているのだろう。すばるの成果がこうやって紹介されるのも、大学共同利用機関として説明責任を果たしているんだろうね。
すばる望遠鏡の宇宙 カラー版―ハワイからの挑戦 (岩波新書 1087)
すばる望遠鏡の宇宙 カラー版―ハワイからの挑戦 (岩波新書 1087)宮下 暁彦

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starスケールの大きいロマンと知識探究の楽しみ
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2007年09月30日

わかる!宇宙と生命の不思議

『わかる!宇宙と生命の不思議』を読んだよ。第二の地球は確実に存在するね。

ある天文学者が自分の甥に対して、宇宙について語るというシチュエーション。だから、丁寧に分かりやすく書かれているよ。図とかは少ないけど、文章で説明するのは難しい話なのにね。

冒頭は「地球の生命はどこから来たのか」。天文学者の話だけあって、宇宙から来たということが前提に話が進むよ。そう、それが現実的なのかも。ただ、じゃ、その宇宙から来た生命はどこでどのように生まれたのかという疑問は残るけど。

そして、地球。温暖化の話が中心。これは第二の地球を探そうという本書のテーマのきっかけになる。ホーキングによると、地球はあと1000年で温暖化によって住めなくなってしまうとか。ところがさらに恐ろしいことに、宇宙スケールでは、1000年も100年も大差がない。あと100年…。生きていないから、まぁいいか。

地球を離れて、月、太陽、太陽系惑星、銀河系と話は続き、後半部で第二の地球を探す。恒星までの距離の測り方とか、観察の手法とか、中学生には難しそうな話題もあるけど、きちんと説明しているよ。

さて、第二の地球はあるのだろうか。この本を読むと、どこかに必ずあると思えてくるよ。温暖化で生命が危ぶまれるようになったら、第二の地球に移住するしかないのかと思うけど、6500万年前に絶滅した恐竜のことを思うと、地球と心中してもいいんじゃないかなぁ〜って気もするよ。

最後に。本書は『この宇宙に地球と似た星はあるのだろうか』の改定本。実はこれを読んだことがあったから、アッシ的には再読。でも、きちんと冥王星は惑星から外されていたよ。
わかる!宇宙と生命の不思議
わかる!宇宙と生命の不思議有本 信雄

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この宇宙に地球と似た星はあるのだろうか