2008年09月27日

日本の鉄道 車窓絶景100選

『日本の鉄道 車窓絶景100選』を読んだよ。鉄オタの超オタク的会話の数々。鉄子も登場。

本書は、新潮社から出ている『日本鉄道旅行地図帳』の中で、「車窓絶景」を100箇所選ぶという企画があり、その100箇所を選ぶための座談会の模様を収録したもの。リソースの有効活用という意味で、副産物的な本だよね。

その座談会。北海道、東北、関東、北信越、東海、関西、中国・四国、九州とブロックに分けて、そこに定数8を振り分ける。当然100に達しないので、復活折衝したり個人推薦枠に割り振ったりして、100箇所を決めるという手順。

北海道から話が始まる。

秋田内陸縦貫鉄道の話の中で、故宮脇俊三氏の話題が。この辺りは「美人度が高い」と氏が絶賛していたと。
宮脇さんは、阿仁合線で乗り合わせた女子高生たちを見て、「東京に連れて行って磨いたら、さぞや…」って『時刻表2万キロ』の中に書いています。
でも、ここは一旦保留になり、結局、復活折衝で採択。美人は有利?かと思ったけど、マタギの熊狩りの話が評価されたみたい。

東北での話題をもうひとつ。
北海道の江差から松前に向かってバスに乗っていた時、正面に山が見えたんです。何だろうと思ったら岩木山なんですよ。海の向こうに見えて、すごくきれいでした。
…と新潮社の田中氏。なるほど、そういう山の見方もあったのかぁ〜とこの話題はアッシの琴線に触れる。

東京へ。明治学院大学の原氏が、東武線の押上〜曳舟がいいと妙な意見を言う。理由がいい。東急の二子玉川からトンネルに入ると、東京地下鉄半蔵門線を通って、曳舟の手前で地上に出る。東急から東武の世界への劇的な変換だと。東京の人にしかイメージが湧かないかもしれないけど、引用。
渋谷から東急に乗った場合、用賀から二子玉川にかけてトンネルを出ると、右手にコマダムの殿堂、玉川高島屋が見えてきますが、東武は押上から曳舟にかけて地上に出た瞬間に、いきなり密集した民家の裏みたいなところを目にするわけ。日も当たらないような狭いところに、洗濯物があけっ広げに干してある。
「それ、絶景ですか?」って突っ込まれるけど、文化地理的な感動ということで皆が納得。それでも話題提供だけで、採択は却下。…だよね。

こんな調子で、九州まで続くよ。ところどころで、Rや勾配(パーミル)の話が出たりして、いかにもテツの皆さんたち。サラッと読めるけど、日本地図が頭に浮かばない人にはテンポが速すぎてついていけないかも。

最後に。アッシの沿線の西武もチラッと。
西武の飯能から向こうも今一つなんだよね、山の中に入るけど。
アッシもそう思うから、異議無し!!
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日本の鉄道車窓絶景100選 (新潮新書 (268))今尾 恵介

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2008年09月26日

となりのクレーマー

『となりのクレーマー』を読んだよ。単なる苦情なら、素直に対応できるんだけど…。

某S百貨店のお客様相談室長だった筆者がその経験をまとめたもの。百貨店という性質上、いろいろな種類の苦情が上がってくるのは事実。店側の明らかな過失ならば、誠意を持って対応するのが当然だと思うけど、本書に登場する苦情の数々は、言いがかり、脅し、客側の勘違いなどが多数。それでも、明らかな証拠が無ければ、客側が有利であって、そこをつけ込む御仁も。

本書の事例を読んで思うに、変に中途半端な知識がある客に限って、クレームを入れる傾向にあるのではないだろうか。ただ、店側も十分な商品知識で納得させるだけの能力が必要になるんだろうけど。

で、筆者が言うクレーム対応の極意は、一にも二にも「お客様の立場で考える」。最初は誰もが、店側の利益を考えてしまうものだと。次第に中立の立場に立てるようになり、最後は顧客側の立場になれるという。そうなると、苦情の八割は電話だけで解決できるようになったという。要は気持ちの持ちようってことか…?そう簡単に済む話ではないとは思うけど。

学校に対する事例も紹介しているよ。ただ、学校の場合は、一般企業のように「クレームを情報資源にしよう」などと考えられるものではないよね。そこが逆に困り者で、対応に苦慮する要因なのかもしれないね。

さて、クレーマーを生み出す要因は何か?筆者は格差意識がその要因になっているという考え方に一理あるという。嫉妬を背景として苦情申し立てっていうことのようだけど。これはちょっと違うような気がする。むしろ、権利意識の拡大がその要因ではないかなぁ〜と思っている。どこまでが顧客の権利で、どこまでが店側の義務なのか曖昧な世の中だからね。

最後に。筆者のまとめは、苦情を言われても必ずリターンしてくれることを考えるということ。うん、これは非常に納得。学校でも応用出来そうだしね。
となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ 244)
となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ 244)関根 眞一

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starクレーマーの対処は、歓迎されない仕事だからこそ!
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2008年08月11日

電車の運転

『電車の運転』を読んだよ。簡単そうに見えるけど…。

2000年にJRを退職するまで、42年間運転士を務めた宇田賢吉氏が筆者。本書は電車の運転に関するありとあらゆる情報を盛り込んだ本。電車っていうくらいだから、電気の知識も盛り込まれているよ。

まずは鉄道の特徴から。
19世紀に鉄道が誕生し普及し、20世紀に自動車が誕生。これが逆だったら、両者の長所を生かせたのに…と筆者。
自動車のない時代に全国にローカル線を建設したけど、結局はその後自動車の普及によって廃線に追い込まれている。確かに誕生が逆ならば、無駄なく住み分けが出来たかもね。

さて、いよいよ電車を発信させる。電車には変速機がないから、モータの制御が必要だったり、直流・交流などの電気的な話が続く。
そして、マスコン。ノッチ操作の意味は、自動車のアクセルとは違う。どこまで加速するかを指示するものだと。よく考えてみれば、そうだ。変速機がないんだから、加速は一定なはず。なるほど。

一定速度まで加速すると、後は惰行。走行中の注意は制限速度。これもかなり厳しい制限があるよう。特に曲線とか勾配とか分岐器とか。
この他にも、変電所の容量制限の為に、2列車が同時に全力運転するのを制限するとか。

駅に近づくとブレーキ。電車の運転は加速や惰行はマスコンを一定にするだけの操作だけど、ブレーキは運転士の腕の見せ所。舟漕ぎブレーキを避けたり、停止位置にピタリと止めたり、滑走をしないようにしたり。

線路と架線のことも。架線は直流、交流によって、設備が違うし。その他、枕木、レール、ホームetc。

閉塞の考え方に出てきた言葉が面白いよ。
閉塞区間にいる列車の運転士は他の列車との遭遇を考える必要がなく、極論をいえば、前方注視の必要がない。現実に曲線のトンネルでは見通しはゼロに等しく、運転士には前方の様子がまったくわからない。前方注視は閉塞を保障する信号機の確認のほか踏切などでの不測の事態に備えることと、停車や発車の操作を行うためである。
これは、道路交通では考えられないよね。それだけ、閉塞という考え方を徹底しているんだろうね。
前部標識(前灯)についても、考え方は同じ。
前灯は列車の前頭を示す標識であり、運転士が前方を見るための証明ではない。
と。徹底している…。

ここまで知ると、電車の運転は自動車とは全く違うことが分かるよね。操作の問題ではなく、システム問題。大量、高速輸送の担い手としての使命は厳しいってことなんだね。

電車に乗ったら、気になることが増えそうです〜。
電車の運転―運転士が語る鉄道のしくみ (中公新書 1948)
電車の運転―運転士が語る鉄道のしくみ (中公新書 1948)宇田 賢吉

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2008年06月15日

大逆転!コンチネンタル航空−奇跡の復活

『大逆転!コンチネンタル航空−奇跡の復活』を読んだよ。自信満々だなぁ〜。

今月末に研修があり、なぜか本書が事前の課題図書。強制的に読まされた割には面白かったよ。

アメリカ・コンチネンタル航空のCEOに就任し、三度目の倒産の危機から会社を救った人物がその経緯を語る。

ポイントは幾つかあるので、思い出せるだけ紹介。

「誰の為のサービスか?」という点。お客さんに乗ってもらってナンボが航空会社。今までの経営者は会社が危なくなってくると、汗を流さず取引で乗り切ろうとしたこと。原点に立ち返ることが必要なんだよね。

「リーダーの仕事は、部下に思う存分仕事をしてもらうこと」だと。逆に言うと、思う存分仕事をしてもらうために、おおよその方向性と明確な方針を伝えたら、部下の仕事の邪魔をしないことだ…とも。これは、部下を信頼することで考える仕事をしてもらうことに繋がってくる。

技術者に陥りがちな点も指摘。技術的にすばらしいことであっても、それをお客さんが望んでいるのか…と。そう、技術オタクにありがちな独りよがりを、「何がいいかを勝手に決めるな」と制する。

そして、担当者間の勝敗は有り得ないこと。会社としては、全員が勝利するか、全員が敗北するかのどちらかだと言う。これは、「力を合わせて」というテーマに基づく。

「あてにできる」という点。信頼されて、あてにされることはどんなにすばらしいことか。あてに出来ないモノは、イライラが募るだけ、余計な仕事も増えるような…。

400頁近い分厚い本。満員電車で立ちながら読むのは辛かったけれども、何とか研修までに読み終えました〜。
大逆転!―コンチネンタル航空 奇跡の復活
大逆転!―コンチネンタル航空 奇跡の復活Gordon Bethane Scott Huler 仁平 和夫

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2008年05月03日

満員電車がなくなる日

『満員電車がなくなる日』を読んだよ。なくなるのも寂しいような気がするけど。

満員電車をなくすための提案・提言が、3つのポイントで書かれているよ。

一つ目は運行方法のイノベーション。信号システム、総2階建て車両、3線運行、鉄輪式リニアなどの技術的な話題。総2階建て車両以外は現実的かなぁと思うよ。特に鉄輪式リニアは面白い。現行の電車の弱点(加減速力が弱い)を克服している点など、将来性があるかも。
これらの方策が実現すれば、輸送力は現行の3〜5倍になると云う。
ただ、問題はコストだ。

そこでコストの問題を考える。
本書は「満員電車の歴史は運賃抑制の歴史」という仮説を置く。確かに他の交通機関と比較すると電車は格安のような。だから、座れなくても文句は言わないし、多少の混雑も我慢する。これがタクシーだったら我慢できないだろうね。
その観点からの筆者の提言は、着席と立ち席の値付け。座る客は料金を高くする。受けるサービスで料金が変わる。普通の市場原理だよね。
その料金の徴収はICカードを使うという方法。今の時代だからこそできる提案。JRならすぐにもやりそう。

3点目は制度の問題。
ここでの主な話題は道路特定財源のこと。電車のライバルはやっぱり自動車だ。それを考えると、確かに自動車は社会の仕組みの中で優遇されているかも。贅沢品が一家に1台あるんだからね。

さて、満員電車は本当になくなるか。そりゃ、ゆったり通勤は理想だけど、満員電車に乗ると「やっぱり、俺サラリーマンなんだよなぁ。皆さんもこれからお仕事なんだよなぁ。今日も多少は頑張るかぁ〜。」という気にもなる。だから、冒頭でも言ったような寂しさを感じるかも。
サラリーマン根性が抜けきれないね、アッシ。
満員電車がなくなる日―鉄道イノベーションが日本を救う (角川SSC新書 29)
満員電車がなくなる日―鉄道イノベーションが日本を救う (角川SSC新書 29)阿部 等

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star通勤ストレスが家での活力を奪う。
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2008年03月20日

日本の森を歩く

『日本の森を歩く』を読んだよ。天然って何だろ。

日本に残る各地の原生林を訪ね歩く。北は北海道・阿寒から南は奄美大島まで。

どこの森でも意識させられるのが、照葉広葉樹林から始まって、落葉広葉樹林、針葉樹林、針葉低木林、高山草原と続く垂直分布の話。
当然ながら、北に行くほど、針葉低木林が低い標高で現れる。それでも、四国の石鎚山では、頂上付近に針葉低木林が出現する。アッシの意識では、四国は南の島なのに。
逆に、南では照葉広葉樹が高い標高まで出現しているのに、北では標高が低くても皆無だったり。
こんな風に、どこでもきっちりそれらの分布が現れているということが凄いことだと思うよ。

そして、森を巡る社会的な問題も。要は縦割り行政問題。林野庁、環境省、市区町村、地元有志etc。自然保護という立場(表向きかもしれないけど)は同じなんだろうけど、それぞれが勝手なことをやっているイメージは拭いきれず…。

アッシ的には興味を思ったのは、奥多摩・三頭山にもニホンオオカミがいたという話。東京都も広いと改めて思うよね。
あと、近畿地方以西の森についても。ほとんど知識が無かったから。

ガキの頃、「何言ってんねん記念物」なんて言ってた(流行語?)けど、天然記念物っていうのもあったよね。これは文化庁(文部科学省)だったぁ〜。
日本の森を歩く
日本の森を歩く池内 紀

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2007年07月19日

森林からのニッポン再生

『森林からのニッポン再生』を読んだよ。山村暮らしに憧れはあるけど〜。

日本の森林を取り囲み、様々な視点から森林を語る本だよ。単なる自然学ではなく、どっちかというと社会学系の本かも。だから、森林というより、林業をイメージしたほうがいいかも。

森林に対する一般的な「常識」も覆す話題もあるよ。っていうか何度もそんな話が出てくる。世間の「常識」とは、単なるイメージでしかなく、実際とはかけ離れている場合が多いよね。
例えば、天然林と人工林。どちらが優れているかなんて一概には言えない。でも、イメージとして、「天然林>人工林」という「常識」はあるかも。環境にやさしい人工林だってあるし、生物多様性の高い人工林だってあるってわけ。

そして、自然と人との関係性。
人間と自然を対立物として見るから、人がいなくなっても自然は困らないと思いがちだが、実は自然も人間に依存している面があり、人がいなくなると困るのではないか。
人間は、否応なくキーストーン種になった。キーストーンとは、生態系全体に影響を及ぼす核となる生物種のことだ。
<中略>
もし人間がいなくなれば、自然界も大変動を引き起こすだろう。
…と筆者。まさにおっしゃる通り。「自然とはシステム」であるというのも、この一文が意味することを同じだよね。

最後にマニアックな薀蓄を。
明治の半ば頃、もっとも人口の多い都道府県は、新潟県だとさ。米どころとして人口扶養力が高かったからとの分析。
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森林からのニッポン再生 (平凡社新書 (380))田中 淳夫

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2006年10月24日

日本の歴史を作った森

『日本の歴史を作った森』を読んだよ。筆者・立松和平って結局何者?

木曾のヒノキは法隆寺や伊勢神宮の建築材として使われているらしいよ。そして、定期的に建て直しや修理で必要な材木を提供しているとか。でも、それも実はピンチで、将来的には供給できなくなる予想が立つとか。

江戸時代になると江戸城の改修とか火事のための復旧とかでやっぱり木曾のヒノキが使われたとか。幕府の命令だから逆らう訳にもいかず、尾張藩の苦労も書かれているよ。

そして、実際のヒノキの森。皆伐とか択伐とかそれぞれの時代に創意工夫で管理され、そして伐採や運送の技術も優れたものをもっていたみたいだよ。大木の輸送はまさに土木的な技術が必要だからね。

今の時代、林業っていうとピンと来ないような気がするけど、スケールが大きすぎてピンと来ないんだろうね。だって、1スパンが何十年、または何百年なんだから。
アッシ的にはそういうスケールで物事を考えられるようになりたいけどね。IT産業なんて、ドックイヤーとか言われているけど、時間の単位が違いすぎるよなぁ〜。
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日本の歴史を作った森 (ちくまプリマー新書)立松 和平

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2006年07月16日

木のことば森のことば

『木のことば 森のことば』を読んだよ。エッセイのような、ノンフィクションのような、文学のような…。

恵那山の麓のヒノキや縄文杉の巨木の話。『木を植えた人』に代表する人の手による森の復元。天然記念物に指定されたために人工的に延命措置を取られた木を話題に倒木更新の話。

植物の生存競争について、筆者のことば。長いけど引用。
枯れていく木や草は生存競争に敗れたのでしょうか。ぼくは、そうは思いません。それらの木や草は、ほかの木や草と争って、その競争に負けたのではなくて、生き延びる運がなかったのだと、ぼくは思います。こんな言葉はありませんが、ぼくは「生存競争」に代わりに、「生存運」という言葉を使いたいと思っています。
そう、そう思うと枯れていく木や草も生涯を全うしたと思えるよね。
木のことば・森のことば (ちくまプリマー新書)
木のことば・森のことば (ちくまプリマー新書)高田 宏

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2006年04月03日

森を読む

『森を読む』を読んだよ。自然景観の読み方シリーズの1冊。

森を読むにはまず木のことを知らなくてはならないよね。第1章はまず木の読み方から。
広葉樹とか針葉樹とか照葉樹とか名前は知っているけど、その定義は知ることが少ないよね。図鑑に出てくる分類としては、裸子植物とか被子植物とか。イチョウが針葉樹だっていうのを知ってびっくり〜。

木を知った後は、森の構造を観察。高木層、亜高木層、低木層、草本層、林床などで構成されているよ。そんなこと分かっているような気がするけど、きちんと整理されるとやっぱり分かりやすいよね。イメージが沸くから。

照葉樹林、広葉樹林、針葉樹林と解説は続く。
で、アッシが興味を持ったのは、雑木林の話。里山とか雑木林はきちんと管理された二次林だったんだね。人間が利用するために森を管理する。気が遠くなるような話のような気がするけど、その内容を知ると理に適った森の利用法であることが分かるよ。だから、それが放置されたら森でも林でもなくなってしまうよ。

結局、そういう理解があっての森の利用法を考えなくちゃいけないんだろうけど、現代人というのはそういう気の遠くなるような話にはピンと来ないんだろうなぁ〜。
森を読む (自然景観の読み方 新装ワイド版)
森を読む (自然景観の読み方 新装ワイド版)大場 秀章

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2006年01月03日

ぼくのペンションは森のなか

『ぼくのペンションは森のなか』を読んだよ。『日本の国立公園』の筆者の処女作だよ。

「就職しないで生きるには」というシリーズの1冊。だから要は脱サラしてペンションを経営するまでの顛末記っていう感じかな。
ただ、文のそこかしこに、後の「環境省を応援しよう」スタンスが芽を出しているから、そういう視点で読んでも面白い本だよ。いや、むしろそういうスタンスでアッシは読んだよ。

筆者は八ヶ岳の東南麓にペンションを建てるわけなんだけど、どうして八ヶ岳にしたか…。やはり、子供の頃からの親しみなんだよね。中央線に乗って、山に行った経験が植え付けられているというか、染み込んでいるとかいった感じかなぁ〜。
アッシも小学生の頃から野辺山にキャンプに行ったりしていたから、多分、八ヶ岳への思いは染み込んでいるかも。残念だったのは、当時小学生は赤岳に登らせてもらえなかったんだよな〜。飯盛山も楽しかったけど…。

で、筆者のペンションライフは楽しそう。夏のオンピークにしっかり稼いで、冬のオフピークは自分の時間。あとがきだけど、こんなくだりがあるよ。
≪晴れれば、天気がいいとクロカンに出かけ、雪が降れば心浮き浮きクロカンに出かけ、曇っても、今日は雪質がよさそうだとクロカンに出かけてしまう毎日≫

あ〜、このシチュエーション、アッシの花巡り出撃と同じような気がしてきた〜。
ぼくのペンションは森のなか (就職しないで生きるには 6)
ぼくのペンションは森のなか (就職しないで生きるには 6)加藤 則芳

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2005年12月23日

日本の国立公園

『日本の国立公園』を読んだよ。筆者はアッシの高校時代の友人の従兄弟。面識は無いけど。

まずは日本の国立公園とアメリカのそれの違いから。国土の面積が違うから、アメリカは思い切った政策が打てるようね。日本の場合は、国立公園の中にしがらみが多過ぎる。住民とか林野庁とか…。

その事例として、幾つかの国立公園が紹介されているよ。
知床国立公園や小笠原国立公園のように住民がほとんどいないアメリカ型の国立公園、観光依存型の典型である富士箱根伊豆国立公園、観光依存ではあるけれども独自の政策で自然保護を進める上高地(中部山岳国立公園)など。

本書の基本的なスタンスは、あとがきのタイトルのように「環境省を応援しよう」だね。どこの国立公園も縦割行政による弊害ばかり。だから、環境省が旗振り役で全体を制御することが理想なんだろうね。

それにしても、環境庁から環境省へ。自然保護の強化という意図があるんだろうけど、成果が見えない気がするなぁ〜。それに、大臣が小池百合子さんでなければ、マスコミにも名前が登場しないだろうなぁ〜。

PS. 初めて環境省のWebSiteを閲覧。あら、結構いろいろなことに取組んでいるんだね。
日本の国立公園 (平凡社新書)
日本の国立公園 (平凡社新書)加藤 則芳

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star国立公園における自然保護とは何かを教えてくれる本です
star過激な国立公園論

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2005年11月23日

ブナの森を楽しむ

『ブナの森を楽しむ』を読んだよ。森にはいろいろな楽しみ方があるね。

印象的なのは、食物連鎖の話。
ブナの森を保護しようとかいうと、ブナだけ保護すればって思うかもしれないけど、ブナの森にはたくさんの動植物が共存している。その共存関係を維持しなければ、ブナの森を保護することにはならないんだろうね。
そして、その食物連鎖の仕組み。寸分違わぬ精緻な仕組みで成り立っているんだよね。
ブナの葉を食べる蛾の幼虫はどうしてブナしか食べない種類が多いのかとか、ブナの実の豊作はどうして5年周期なのかとか。これがすべて意味があることだから面白いよ。

ヨーロッパのブナと日本のブナの対比も面白い。そこに生息する蛾や蝶の種類の違いがその性質の差を明確に表しているようだよ。

筆者は「森はだれのものか?」と問い掛ける。『日本の美林』にも出てきた東京都水源林や襟裳岬の昆布を蘇らせた森などの例は、単に森がそこにあるというだけではなく、下流の人たちの生活の糧となっていることの事例だよね。

だから、ブナの本だけど、ブナだけでなく森を考えさせられる本だったよ。

子供の頃は針葉樹がカッコイイと思っていたけど、広葉樹の方が進化していた植物だったんだね。この歳になって始めて知ったよ。
ブナの森を楽しむ (岩波新書)
ブナの森を楽しむ (岩波新書)西口 親雄

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2005年11月19日

日本の美林

『日本の美林』を読んだよ。これは山の自然学のひとつだね。

日本各地の森を紹介しているよ。そこでの自然や森と人々の生活との関わりについても述べているよ。特に森を作るという立場での林業の展開についての話が興味深いよ。

アッシに身近な例でいえば、奥多摩・水源林。森を作る目的は水源の確保。目標がはっきりしているから、森の作り方も明解だよね。
この森があったからこそ、玉川上水や千川上水が今でもきれいな水を流して、河辺で花が観察できるわけだし。←これもアッシの身近な例。
他の森の場合、その時々の社会情勢で目的が変化し、伐採や植林が行なわれてしまっているみたい。

それにしても林業のスパンは桁が違う。そして美しい森はさらに1桁違う。10年スパンというより100年スパンだからね。
逆に言うと、それだけのスパンで林業が考えられれば、すばらしい森が幾つでも人の手によって作られるっていうことだと思うよ。気の長い話なんだけど、後世の為には必要なんだよね。
日本の美林 (岩波新書)
日本の美林 (岩波新書)井原 俊一

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star本当に美しい森林とは?腑に落ちる1冊です

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